新NISAへの関心増と日本株の株高で投資に関心が高まっているときを狙ったかのような投資詐欺の記事が気になりましたので、皆様にも同様の手口に気をつけていただくために具体例を掲載しました。
最近、特殊詐欺被害が急増しています。
お互いに甘い話には気をつけましょう。
事例① 一旦は儲けさせて、投資額が増えたらドロンが手口!!
60歳代の自営業の男性が、令和5年10月にスマホを見ていて、「FX(外国為替証拠金取引)の口座をつくりませんか。お祝い金を贈呈します。」との広告を見てタップすると、アメリカの実在の証券会社名が表示されたサイトに繋がりました。
そこには、「SNSに登録すれば、簡単に儲かる優良銘柄情報を無料で提供します。」と記載があり、
SNSアカウントを入力すると、「資産が3倍になる取引計画」などのメッセージが届き始めました。
令和5年12月、送られてきたURL経由でアプリをインストールし、口座開設を依頼しました。
その後、FXや金の先物取引として今年の1月までに5回、ネット銀行の個人口座に合計206万円を振込みました。
最初の投資額は3万円でしたが、その後入金するごとにアプリ上では利益が増えていきました。
1回の入金を87万円まで増額し、最終的にアプリ上の資産は約3千万円に増えていましたが、
引き出そうとしても出金ができず、警察に相談して詐欺被害だと判明しました。
事例② 著名人を語り投資を持ちかけ、投資額が増えたらドロン!!
令和5年10月、女性がスマホでLINEを利用中に、投資に精通した有名実業家(森永卓郎氏)の写真とともに、「資産運用に関する情報が知りたい方」という広告が表示されました。(私もその広告は見たことがあります!)
女性がタップしていくと著名人が中心となった投資の勉強グループにLINE上で招待され登録。
グループ内では著名人は「先生」と呼ばれ、金の先物取引や有望株などの書き込みをしていました。
グループの参加者は数十人いて、「先生のアドバイスどおり投資をしたら利益が出た」といった書き込みが多数ありました。
その後、著名人名のアカウントやアシスタントを名乗る人から直接メッセージが届くようになり、女性は指示どおりアプリをインストールしました。
まず、金の先物取引として5万円を指定口座に振り込んだら、アプリ上で利益が増えているのが確認でき、1回の入金を最大100万円まで増やして合計17回振り込みました。
令和6年1月、出金手続きの手数料として390万円を送金したが、著名人側と連絡が取れなくなるとともに、アプリも使用できなくなり、投資資金と手数料として入金した合計966万円あまりを騙し取られたことが判明しました。
4月26日の新聞記事にもZOZO創業者の前澤友作さんや実業家の堀江貴文さん、{2チャンネル開設者」の西村博之さんなどの名前を勝手に使った広告を調査確認すべきであったという訴えがフェイスブックやメタ社の日本法人を相手に被害者が賠償請求の訴えを起こしています。
SNS型の投資詐欺の被害額は277億円
4月28日の別の記事によると警視庁が被害状況を初めて集計したSNS型の投資詐欺による令和5年の1年間の総被害額は、2,271件で277億円9千万円になっており、識者は「投資ブームが被害急増に影響している」と注意喚起しています。
弁護士は「新NISAの周知やネット証券の広まりで、投資そのものやネット上で金銭をやりとりすることへの抵抗感が薄まったのも、被害急増の原因の一つとみる」とあり、「SNSで知り合った人から投資を勧誘されたら詐欺の可能性を疑ったほうがいい」と話しています。
不動産クラウドファンドと投資詐欺の手法を比較しての考察
この事例に共通するのは、指定されたアプリをインストールするところから始まっています。
私も不動産のクラウンドファンドに投資しているので、同じようにドロンされたら怖いなと思いながら読んでいました。
また、投資している他人の書き込みを見せることもないです。
一部、ホームページに、投資した人の感想などを広告で掲載しているクラウドファンド会社もありますが。
ファンドが満期になり、償還されるときはメールで連絡が来ますが、途中経過は見せないです。そもそも不動産なので、途中で増えてはいかないですが。
証券会社と違って、金融庁に監視されているわけでもなく、どこの誰が運用しているかわからない危うさは共通するところがあると思います。
でも、不動産クラウドファンドの会社からアプリを指定されてダウンロードすることはないです。
ホームページから個人情報を登録して、入金口座に資金を振り込む流れは同じですが、投資額が増えていく様子をアプリで見せることもないです。この流れはいかにも詐欺っぽいです。
金融庁のホームページを見て詐欺の手口を学ぼう!
金融庁のホームページには、投資詐欺の手口を詳しく例示していますので、参考にしてください。
(以下、金融庁ホームページを転載)
【偽広告等の主な事例】
■ SNSで著名人の写真を無断掲載し、証券会社や日本証券業協会の広告を装い、情報商材販売サイトなどへ誘導する。
■ SNSで証券会社の公式アカウントを装い、LINEグループへの参加や詐欺サイトへのアクセスを誘導する。
■ SNSで証券会社の役職員を装い、特定の銘柄の投資勧誘を行い、振込先を指定して入金を要求する。
■ ただクリックするだけで…簡単に月収100万円になる方法
クリックするだけで爆益
■ 普段取引がない証券会社の役職員を名乗って、LINEなどのSNSに突然連絡をし、特定の銘柄の投資勧誘や口座開設を要求する。
【偽広告等に記載されていた文言例】
■ 寝ている間に利益が出ます!私たちのLINEに入ってください。
■ 元本割れしない投資ができます!
■ 高精度な株式情報を無料で手に入れることができます!
■ 俳優の〇〇さんの愛読書の投資本です!
(しかし、プレゼント主は広告で騙られた証券会社ではなく、全く別の会社)
■ 〇か月で月収が5倍に!今月は100万円の利益!
【偽アカウント・偽広告等の見分け方のポイント】
■ 普段取引のない証券会社やその役職員を名乗る者からの連絡である。
■ 普段取引のある証券会社を名乗っていても、これまでは用いられたことのない連絡方法や唐突な内容である。
■ 「元本保証」や「確実に儲ける方法」等 必ず利益がでることを謳う広告である。
■ 公式アカウント(正式な会社・組織名)とユーザー名が異なっている。
(例)正式な組織名:日本証券業協会、偽アカウントが名乗った組織名:日本証券協会
■ 広告主の所在地等を見ると、証券会社の本店・支店の所在地と異なっている。
■ 特定の銘柄を購入するための入金を求められたが、振込先口座が個人名義の口座である。
証券会社や日本証券業協会を騙ったSNS上の偽広告等に注意!:金融庁 (fsa.go.jp)
まとめ
うまい(だまされる)投資話は、あちこちに転がっています。
でも「もうかります」という投資の広告を見て、クリックするのは気をつけましょう。
「もうかります」という表示自体してはいけない行為であり、すぐさまシャットアウトすることと、投資する時は、会社名で検索して評判を調べてみるとか、完全に疑ってから投資することを必ず実行してほしいです。
例えば、事例にあった森永卓郎さんで投資詐欺で検索するといろいろな記事が掲載されています。
当然、本人がやっているのではなく、名前を使って騙しているのですが。
そういった検証をしても結果的に騙される場合もあるとは思います。
でも怪しい話には、よりつかないことが一番ですし、もし、投資するとしても資産の1%程度にとどめておくことが無難です。1千万なら10万円までです。市場から退場しないように安全運転をすることが何より大事です。
私も不動産クラウドファンドに投資する前はいろいろと検索して調べてみましたが、騙されたという話は今のところなかったので踏み切って投資しています。
何かおかしい点があれば、すぐにこのブログでご報告させていただきます。
「ヤマワケエステート」も有名人を広告に使い、かなり怪しいと思って、数ヶ月躊躇していましたが、今のところ問題はなさそうです。
でも、100%安全はないので、いつでも資金を引き出せるようアンテナを張って準備はしています。
それからこの株は儲かるなどどいう言う話は、全く信じないことが肝心です。
そんな事がわかるのなら、自分で投資しているはずです。
だからこそ、インデックス投資で市場全体に投資する手法に個人投資家は行き着くのです。
痛い目にあってからそのことを理解するのではなく、先人の失敗例に学んで素直にインデックス投資で資産形成に努めましよう。
その中でも少しリスクを取って、NASDAQ100とかFANG+(10株なのでインデックスというのかと思いますが。)などのインデックスファンドに投資することで、楽しもうではないですか!!