概要)新NISAにおける出口戦略とは、つみたてていった先に、いつ投資をやめて、いつ資産を売却していくかをいいます。
結論は、定率で毎月取り崩していき、基準価格が下がり売却額が少ない月は、出金先とz同じ口座に現金を常に余分に持っておき、同じ額で生活できるように余裕資金で調整していくことがベストと考えます。
ネット証券で取り崩しを自動設定することで、年金のように毎月(年金は2ヶ月に1回ですが)口座に入金されます。いつまでも貯め込む一方ではなくて、資産運用を継続しながら、自動取り崩しを活用し、使っていくことで人生を謳歌しましょう。
新NISAの出口戦略は、「定率」か「定額」、「期間指定」(=定口)の取り崩し自動設定で
ネット証券で自動取り崩し機能を備えているのは、把握している限りで、楽天証券とSBI証券他4社あります。
最初に最も充実している楽天証券の「定期売却サービス」を設定するページです。以下引用して、一部説明を加えています。
定期売却サービス | 取引ガイド | 投資信託 | 楽天証券 (rakuten-sec.co.jp)
- 投資信託に定期売却の設定をすれば、毎月自動的に指定日に売却代金を受取ることができます。
- 設定方法は「金額指定」、「定率指定」、「期間指定」の3パターンあります。
①金額指定(1,000円以上1円単位)
毎月一定額を売却し受取ります。
例)毎月15日に1万円ずつ受取ると指定した場合、指定した投資信託の評価額が2万円以下になるまで毎月自動的に売却し15日に受取ります。⇒受取額は一定です。
②定率指定(0.1%以上0.1%単位)
指定している投資信託を、あらかじめ指定した率に相当する口数を毎月売却し受取ります。
例)毎月15日に1%ずつ受け取ると指定した場合、売却注文日の投資信託の保有口数の1%に相当する口数を自動的に売却し15日に受取ります。⇒受取額は変動します。
③期間指定(最終受取年月を指定)
最終受取年月を指定し、投資信託の保有口数を、指定した年月までの売却回数で等分した口数を定期的に売却し受取ります。⇒受取額は変動します。このあとのSMBC証券とセゾン投信の「定口」と同じ内容で、口数でみるのか期間で見るのかの違いです。
例)2050年12月まで毎月15日に受け取ると指定した場合、指定した投資信託の口数を360回(2020年1月設定の場合)で割った口数を自動的に売却し15日に受取ります。⇒受取額は変動します。
次に、SBI証券の投資信託定期売却サービスです。
残念ながら2024年4月現在、定額売却サービスしか取り扱っていません。
投信・外貨建MMF|SBI証券 (sbisec.co.jp)
「「毎月コース」のほか、「奇数月コース」、「偶数月コース」から選択でき、ご希望により年2回まで「ボーナス月コース」の設定も別途可能です。」(SBI証券HPから引用)
その他にも2024年4月現在「定期売却サービス」を行っている証券会社は、
フィディリティ証券(定率・定額)
SMBC日興証券(定口※・定額)
セゾン投信(定口※・定額)
ありがとう投信(定率・定額)があります。
※「定口」は決まった受取期間に同じ口数で分割し、いつまで使いたいかに合わせてその時の基準価格で売却していくものです。「定率」は、金額は変動し、いつまで使えるかが不明確であるのに対して、「定口」は同じく金額は変動するものの、残り期間が明確になり、いつ残りゼロとなるのかという不安はなくなります。
なお、投資信託を換金する時には、「信託財産留保額」か「換金手数料」が一般的には必要となりますが、オルカンやS&P500、NASDAQ100、FANG+などほとんどのインデックスファンドは不要です。
取り崩しのシミュレーション
ここでは、一般的な「定率」と「定額」を比較してみました。
資産運用の2つの出口戦略は ? 「定率」と「定額」どっちがいい ? | マネー | おすすめコラム | 大和ネクスト銀行 (bank-daiwa.co.jp)から以下、引用しています。
金融資産が2,000万円、年率3%で運用し、65歳から取り崩すとして、定率取り崩しは、年6%で取り崩し、定額取り崩しは、2ヶ月に1回20万円として計算しています。
定率は年々使える額が減っていくものの90歳でも資産が残りますが、定額は90歳で残りがなくなります。
それでも、年金があるので90歳過ぎてからは年金だけで良しとすれば、これも使えます。
定率取り崩し額 | 資産残額 | 定額取り崩し額 (2ヶ月に1回) | 資産残額 | |
65歳 | 2,000万円 | 2,000万円 | ||
70歳 | 17万円 | 1,718万円 | 20万円 | 1,678万円 |
75歳 | 15万円 | 1,477万円 | 20万円 | 1.303万円 |
80歳 | 13万円 | 1,269万円 | 20万円 | 868万円 |
85歳 | 11万円 | 1,090万円 | 20万円 | 363万円 |
90歳 | 9万円 | 937万円 | 20万円 | 0円 |
定率及び定額、期間指定(定口)による取り崩しのメリット・デメリット
定率と定額、期間指定(定口)の取り崩しのメリットとデメリットを表にまとめてみました。
・毎月決まった額がほしい。⇒②定額
・寿命を延ばしたい。⇒①定率
・いつまで使えるか決めておきたい。⇒③定口
どれを優先するかで判断が分かれてきます。
メリット | デメリット | 取扱証券会社 | |
①定率で取り崩し | ・基準価値が下がれば取り崩し額も少なくなるので、資産寿命が延びる。 | ・資産額が減ると取り崩し額も減る。 ・毎回の取り崩し額が安定しない。 ・いつまで使えるかわからない。 | 楽天証券、フィディリティ証券、ありがとう投信 |
②定額で取り崩し | ・毎回同じ額が使えるので、同じ生活水準を維持できる。 | ・基準価値が下がったときも定額を取り崩すので、資産寿命が短い。 ・いつまで使えるかわからない。 | SBI証券、楽天証券、フィディリティ証券、SMBC日興証券、セゾン投信、ありがとう投信 |
③期間指定(定口)で取り崩し | ・取り崩し期間が設定できるので、それまでは安心して過ごせる。 | ・(定率と同様) ・期間設定後は残高がゼロになる。 | SMBC日興証券、セゾン投信、楽天証券 |
(結論) 資産寿命が延びる「定率で取り崩し」+「現金をプール」の組み合わせで生活の安定化を図る
資産を長持ちさせようとすれば、定率で取り崩しを行いながら、不足する金額を預貯金から補填していくほうが、ベストではないかと考えます。その際は、払い出し先の口座は、現金を常に余分にプールしておけば、生活は安定して送れるのではないでしょうか?
「いやいや、決まった額が毎回入らないと安心できない。」という方は、定額で取り崩しでいつまで使えるかを確認したうえで、それを選択されるならそれでも良いのではと思います。
前半は、定率で後半は定額でというのが、おすすめの方法と一般的には言われています。
老後貧乏にならない「資産運用の出口戦略」(マネックス証券)
しかし、70歳過ぎてからいつの段階から切り替えるのか考えることに煩わされるのもどうかと思いますし、何と言っても残り資産がゼロとならないように、資産寿命を延ばすことが最重要と考えますので、私は定率で取り崩し、生活資金の口座に余分に常に50万円程度は確保できるようにしておき、安定した生活費を毎月使えるようにするつもりです。
出口戦略のイメージを今から持っておくことで、積立の楽しみが継続できるのではないでしょうか?
皆さん調整局面を迎えても出口に向けて踏ん張って、頑張っていきましょう‼️
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