新NISAの成長投資枠の使い方で悩んでいる方もおられると思います。
「個別株で速攻、利益を上げたい。」
「オルカンをはるかに上回るアクティブファンド※を購入したい」という想いは、私もよくわかります。
しかし、結論は、つみたて投資枠と同じ考え方で成長投資枠もインデックスファンドを購入が最適解です。
この最終結論を腹に入れられるかどうかが、個人投資家が成功するかどうかの分岐点だと考えます。
イチローの名言「小さいことを積み重ねる事が、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています。」
この言葉は、長期投資にも当てはまる言葉であり、飽きることなく愚直に同じ手法を継続することで、10年後、20年後に後悔しない資産形成を目指しましょう。
※ アクティブファンドとは、特定の指数(インデックスファンド)を上回ることを目指す投資信託。
ファンドマネージャーの能力が運用成績を左右し、手間を要するため手数料が高い。
新NISAの「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の違いをまとめました。
改めて、つみたて投資枠と成長投資枠の違いを表にまとめました。
ご存知だとは思いますが、ここで強調したいのは、成長投資枠だからといって、
成長投資枠で購入可能な個別株やアクティブファンドを購入しなくてもよいということです。
つまり、つみたて投資枠で購入可能なeMAXIS Slimシリーズで年間枠の360万円を埋めることができますし、
そのような低コストのインデックスファンドのみ購入していくほうが、個別株や一時期だけ収益が上がるファンドを追いかけていくより、結果的に収益は高くなるのが、私の経験からも言えますし、多くの書籍やシミュレーションからもそうであると言えます。
このことは、多くの方が説明しておられるので詳細は割愛します。
インデックスファンドかアクティブファンドかの見解は、改めて別の機会にまとめたいと思っています。
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
可能上限額 | 年間購入120万円 | 240万円 |
上限額の考え方 | ⇒つみたて投資枠で、成長投資枠の商品は購入できません。 | ⇒成長投資枠でつみたて投資枠と同じ商品を購入してもOK!! |
0円でも可能。(つみたて投資枠0円で成長投資枠のみ購入は可能) | ⇒しかし、成長投資枠の上限は240万円なので、つみたて投資枠を0円としても成長投資枠の上限額は360万円とはならず240万円のままです。 | |
年間購入上限合計額 | 360万円(つみたて投資枠と同じ商品を成長投資枠で購入可能。) | |
生涯購入可能上限額 | 1,800万円(うち成長投資枠の上限額は1,200万円。) | |
購入可能商品 | 長期・積立・分散投資に適した金融庁の基準を満たした投資信託(ETF含む) | 毎月分配型やデリバティブ※を除く投資信託(ETF含む)、上場株式(年4回分配型はOK) |
具体的な商品例 | eMAXIS Slim オール・カントリー eMAXIS Slim S&P500 | 日本株(JT)、米国株(アップル)、米国ETF(VOO)、 eMAXIS Slim オール・カントリー eMAXIS Slim S&P500 |
成長投資枠の上限240万円は、金融庁と金融業界との妥協点だと推測
本来、金融庁は、我々個人投資家に寄り添うのであれば、成長投資枠は設けず、つみたて投資枠のみの新NISAとするとまでは言わずとも、つみたて投資枠が240万円、成長投資枠が120万円にしたかったのではと考えます。
しかし、それでは金融業界は、手数料が多く入らないため、成長投資枠をつみたて投資枠120万円の2倍の上限額240万円として設計し、個別株などのハイリスク商品を購入できるしくみを残したことで、新NISAのしくみを金融業界も認めたのだと推測します。
つまり、成長投資枠が、つみたて投資枠の2倍となったことは、業界側に新NISA制度に納得してもらうためと思われ、つみたて投資枠で成長投資枠と同じ商品が購入できることは、各証券会社は積極的に前面には打ち出してはいません。
それは、手数料が稼げるドル箱を手放したくはないからです。
我々個人投資家は、この制度設計に惑わされず、すべてをインデックスファンドで購入するスタンスを崩さず、退屈だと思っても変な色気は出さず、
イチローの名言「小さいことを積み重ねる事が、とんでもないところへ行くただひとつの道」を忘れずに、
ただひたすらインデックスファンドの道を突き進むのが肝心です。
まとめ
・成長投資枠で収益の上がる商品を売り込む宣伝や、他人の個別株の上昇成果を見ても(できるだけ見ずに)気にせず、ただひたすらインデックスファンドをつみたて投資枠と成長投資枠の両方で埋めていくのがベスト。
・では、あなたは新NISAで具体的に何を購入しているのですか?
と思われる方は、下の記事をご覧ください。
・私の場合は、インデックスファンドを購入する中でも、ややハイリスクなインデックスファンドをコア・サテライトの考え方で混ぜていくのが将来の楽しみとなっています。