2024年5月17日から日興アセットマネジメントから発売されています「全世界超分散株式ファンド」をご紹介します。なんと、オルカンの4倍以上の13,000銘柄を組入しています。
結論から言えば、運用コストが高いためeMAXIS Slim全世界株式を超えることはできない。
全世界株を購入するならオルカン一択でOKです。
「全世界超分散株式ファンド」と「全世界株式オール・カントリー」を比較
商品名 | 全世界超分散株式ファンド | eMAXISSlim 全世界株式(オール・カントリー) |
概要 | 日本を含む先進国および新興国に上場されている企業の株式に極めて幅広く分散投資により、中長期的な成長をめざして運用 | MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動する投資成果をめざして運用 |
純資産額 | 10.36億円※ | 3兆8,383億円 |
購入時手数料 | 3.3% | なし |
信託報酬率 | 0.99633% | 0.05775% |
銘柄数 | 13,000銘柄 | 2,900銘柄 |
運用区分 | アクティブ | インデックス |
設定日 | 2024年5月17日 | 2018年10月31日 |
販売会社 | ゆうちょ銀行 | SBI証券、楽天証券、マネックス証券、その他証券会社、銀行など多数 |
どれだけ分散させると効果的か
個別株なら最低は20銘柄以上に分散しないと分散効果は測れないと言われています。
しかし、投資信託で銘柄数といってもインデックスファンドならその指数に連動しているので直接個別株を購入しているわけではありません。
インデックスファンドに対して、どれだけの株式数を組み入れていれば効果的かという議論は意味がない論点です。
個別株を組み合わせる時に出てくる議論です。
アクティブファンドであれば、自由に組み合わせるためにどれだけの構成銘柄かという論点は成り立ちます。
しかし、この「超世界分散株式ファンド」は世界一とも思える構成銘柄数で、その論点をも凌駕する数です。
そもそもこれほどの構成銘柄が必要なのかという疑問が湧いてきます。
アクティブファンドで13,000銘柄を運用する手間がかかるため、コストが割高になっています。
オルカンの2,900銘柄だけでも十分すぎるところに、4倍以上の13,000銘柄に分散するメリットが見いだせません。
しかも販売会社がゆうちょ銀行だけとなっています。
これでは、販売数も限られてくるでしょう。
ひょっとしたらゆうちょ銀行での営業トークは、「全世界の13,000銘柄に幅広く分散しているので安全です。」
なのかもしれません。
まとめ
・世界超分散株式ファンドは13,000銘柄と幅広い銘柄に投資しているものの、一定数を超えると分散効果は限定的。
・手数料も高く、コストを要するためオルカンを超えることは不可能。
・販売会社が今のところ、ゆうちょ銀行のみであり、窓口に来たネット対応でない顧客が対象と推測。
・個人投資家があえてこの商品を購入する理由なし。
・ゆうちょ銀行で取引の皆様はだまされて購入しないように気をつけてください。
・個人投資家の皆さんは間違っても購入してはいけないアクティブファンドです。
もし、購入している方がおられたら、頃合いをみて売却しましょう。
(2024年7月28日現在は、基準価格は1万円を大きく割り込んでいます。)